年報編集委員会から 年報第23号の論文募集

2021年刊行予定の年報第23号は、第23回研究大会(今年6月開催)の共通論題「インフォーマルな政治制度とガバナンス」をテーマに編集する予定です。報告者のほか、会員の皆さまから広くご寄稿いただけると幸いです。

比較政治学の主たる分析対象はフォーマルな政治現象ですが、その一方で、現代世界の政治にはインフォーマルな部分が存在することも広く認知されています。フォーマルに必ずしも縛られないインフォーマルな政治は、先進国/途上国、北/南、民主主義/権威主義といった違いにかかわらず、世界各国で、様々なかたちで、見られてきました。むしろ、近年の越境的な資本や人口の流動性の高まり、情報通信技術の急速な発達、あるいは、市民意識の「伝統」への回帰傾向を背景に、その規模を拡大しつつあるように思われます。その意味において、インフォーマルへの注目はフォーマルの役割の自明性の問い直し、さらには、比較政治学の分析対象や前提の捉え直しの契機を含むものになり得るものと考えられます。

本特集では、インフォーマルな政治、具体的には、そこで展開される括弧付きの「政治制度」や「ガバナンス」を比較政治学の議論の俎上に載せることを目指します。そして、その実態の経験的・多角的な把握を試みるとともに、インフォーマルな政治が含意する理論的なインプリケーションを引き出すことができればと考えています。多様な地域、観点、アプローチからの幅広い投稿をお待ちしております。

投稿を希望される会員は、800字程度の要旨を2020年7月末日(6月末日より延長しました)までに、下記のアドレス宛に電子メールの添付書類でお送り下さい。添付書類はワードファイルかテキストファイルで作成し、メールタイトルを「日本比較政治学会年報2020投稿要旨」として下さい。なお、いただいた要旨につきましては、編集委員会での審査を経て、年報への論考投稿の採否を決めさせていただきます。あらかじめご承知おき下さい。

*応募先:年報23号編集委員長 末近浩太

E-mail: suechika[at]ir.ritsumei.ac.jp  ([at]を@に置き換えてください)