企画委員会による2024年度学会大会・共通論題の企画内容公開のお知らせ
日本比較政治学会第27回研究大会(於 立命館大学 大阪いばらきキャンパス)
(2024年6月22~23日)
共通論題「民主主義をどのように分析するか」
企画委員長 外山文子(筑波大学)
近年、「民主主義の後退」という現象が世界的に注目を集めてきた。過去5年間の日本比較政治学会研究大会のパネルを振り返ると、「権威主義体制」「権威主義化」「民主主義の脆弱性」「デモクラシーのゆらぎ」といったタイトルが多く、多数の研究者が、民主主義の後退と、権威主義体制の再興隆に関心を持っていることが分かる。
しかし他方で、民主主義体制と権威主義体制の境界線が曖昧になっていることが指摘されている。21世紀においては、たとえ権威主義的体制であっても定期的に選挙が実施され、選挙委員会などの組織が設置され、一定の条件下で野党の設立が認められていることが多い。反対に「民主主義」と分類される国においても、ポピュリスト的な強権政治家が登場し、マスメディアを抑圧し、国民の分断を煽るような政治が行われることもある。
改めて「民主主義とは何か?」「民主主義をどのように分析することができるのか?」という基本的な問いに立ち返ってみることが必要だと思われる。本パネルでは、現在も「民主主義」が政治体制の分析にあたり有効な概念なのか等について、改めて考え直してみたい。
政治思想・政治史、国際政治学、地域研究を専門とする研究者にご発表を頂き、加えて、計量政治学、比較政治学分野から討論者をお招きし、議論を深めることを目的とする。
司会 外山文子(筑波大学)
報告 吉田徹(同志社大学)「政治思想・政治史の視点から」
小松志朗(山梨大学)「国際政治学の視点から」
藤原帰一(東京大学)「地域研究の視点から」
討論 高橋百合子(早稲田大学)
中井遼(北九州市立大学)