受賞挨拶
この度は素晴らしい賞を賜り身に余る光栄です。通例であれば大会会場にて皆様の面前でご挨拶申し上げるべきところですが,新型コロナウィルス感染拡大防止のため本年度大会がオンライン開催となった事にあわせ,文面での挨拶にて失礼いたします。
嬉しさや誇らしい気持ちよりも,恐縮する気持ちを抱いております。過分な評価を頂いたという事のみならず,今回受賞対象となった論文が私一人のみの成果ではないためです。そのプロトタイプに対して多くの先達や後進の皆様からのコメントを頂いてきましたし,そもそも着想に至ったのは長い間に関わってきた様々な研究交流があっての事です。一人一人お名前を挙げていく事は控えますが,研究活動をご支援くださった皆様に感謝申し上げます。
比較政治学会は私にとって思い入れのある学会です。学問の世界に足を踏み入れ,初めて入会した学会は比較政治学会でした。初めての学会報告も比較政治学会でした。「所属先に事務局が回ってきたのでその下働きとしてお手伝いする」という,皆様の多くもご経験があろう出来事もまた,初めては比較政治学会でした。そのような思い入れのある学会から,人生で初めての学会賞を頂けたのは幸甚の至りです。
顕彰してくださった本学会と会員の名誉に泥を塗ることのないよう,またこれが最初で最後の授賞経験とならぬことを目指して,今後もたゆまず研究を続けてまいりたいと思います。浅学非才の身ではございますが,今後とも宜しくご指導ご鞭撻の程よろしくお願いいたします。
2020年5月
中井 遼